睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome=SAS)とは、睡眠中に10秒以上の呼吸停止が繰り返される病気です。
気道(鼻や喉)が塞がって空気の通りが悪くなるといびきを伴うので、家族から睡眠中の大きないびきを指摘された、昼間の眠気が異常に強い、という場合には無呼吸症候群の可能性があります。
私たちが眠っている間は、眠りが浅い「レム睡眠」と眠りが深い「ノンレム睡眠」を90分単位で繰り返しています。レム睡眠のときは脳が活動しているので夢を見ることが多いのです。無呼吸は、深い眠りのノンレム睡眠時に起こります。無呼吸になることによってレム睡眠に変わってしまうので眠りが浅くなるため、睡眠の質が低下して日常生活や身体にさまざまな影響を引き起こします。
日常生活への影響
寝不足、活力の低下、集中力の低下、記憶力の低下、など
身体への影響
起床時の頭痛、高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、不整脈など 呼吸が停止している間は酸素の取り込みが少なくなるために身体が酸欠状態となり循環器や呼吸器に大きな影響をもたらします。
また、生活習慣病とも深く関わっており、放置すると命にかかわる病気を引き起こしますので、おかしいなと思ったら早めの検査を受けることが必要です。
睡眠時呼吸障害の診断には「PSG(終夜睡眠ポリグラフィー)」と呼ばれる特殊な検査装置を用います。 この検査では、夜間どのような睡眠をとっているのかを全体的に見ていきます。
検査内容
睡眠時無呼吸症候群検査機
- 脳波
- 眼球運電図
- 筋電図
- 呼吸活動
- 心電図
- 酸素飽和度
- いびきの音
など、 検査では、頭、目、耳の後ろ、あご、胸、お腹、足にバンドや電極をつけて、睡眠時の眠りの深さの測定や不整脈などを診断します。
検査費用
自宅で行う簡易型の場合、健康保険を使用して3000円ぐらいです。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時呼吸障害の治療法には幾つかの方法があります。適切な治療さえ行えば、正常な睡眠をとることが可能で、より健康な生活を送ることができるようになります。
- 経鼻持続陽圧呼吸療法「CPAP」 睡眠時に鼻マスクを装着し、マスクから空気を送り込み気道を広げて呼吸を維持させる方法で、重症な患者様に使用することが多い治療方法です。
- マウスピース装着法 マウスピースを口腔内に装着する最も簡単な治療方法です。最適なマウスピースが出来るまで多少の時間がかかるのと、呼吸障害の発生を完全に防ぐことができない点から、軽症な場合に適した方法と考えられています。
- 手術 手術を行って、狭い気道を広げる治療方法です。睡眠中の気道の塞がっている部分が咽頭、口蓋であれば有効な治療方法といえます。
その他、ご自身で出来るケアとして生活習慣の改善があります。
特に肥満の人は、のどや舌まで肥大しますので気道が狭くなる原因となります。
また、アルコールの過剰摂取は肥満につながるほか、筋肉の緊張を低下、弛緩させて気道を狭くしてしまいますので気をつけましょう。 日頃から、ダイエット、禁酒をはじめ、生活習慣を整えることが重要です。